「もっと働きたい」就業者の6.4%
- 直子 元岡
- 11月20日
- 読了時間: 3分

2025年10月15日の日本経済新聞の記事では、与野党の一部で残業時間の規制緩和を求める声が出ていて、その背景には労働力確保に苦しむ企業の不満があると書いてありました。
2019年施行の働き方改革関連法は残業時間に初めて上限規制を設けました。それは電通の女性新入社員の過労自殺などを背景に長時間労働の是正を進める目的があったのです。
では労働者はどう考えているのでしょうか。
上記の記事では「もっと働きたい」と考えている就業者はたったの6.4%だろうということなのです。(厚生労働省の試算)
雇用側と雇用される側の意識は逆ですね。
では、長時間労働を是正され、労働者がすべきことは何だと思いますか?
日々の生活、子育て、趣味、勉強などたくさんあると思いますが、最も重要なことの一つとして、私は寝ることだと考えています。
人間は寝ないと回復しません。
慶応義塾大学の島津明人教授によると
「人間の脳が集中力を発揮できるのは朝目覚めてから13時間以内で、起床後15時間過ぎた脳は、酒酔い運転と同じくらいの集中力しか保てない」
らしいのです。
よって残業中の労働生産性は大変低いと考えられます。
逆に従業員の平均睡眠時間が長い企業ほど、利益率(ROS)が高いという調査研究結果もあります。
そうです。労働力不足について、特にホワイトカラーについては残業は多くせず、早く帰ってもらい、休息・睡眠をしっかり取ってもらった方が、結果として生産性高く仕事をしてもらえるのです。
さらに睡眠不足はパワハラ、セクハラ、不祥事等のモラル崩壊につながり、中高年においては6時間以下の睡眠で認知症リスクが3割増加するのです。
上記の記事では、ある野党は「勤務間インターバル」の義務化を主張してるとの記載がありました。(現在は努力義務)
勤務間インターバルとは勤務と勤務の間を11時間あける制度で、EUではすべての国で義務化されています。
実はこの「勤務間インターバル」は基本給・賞与アップよりも従業員満足度を最も高め、離職率を下げる施策だという調査結果があります。
社員全員が毎日ちゃんと7時間程度睡眠が取れると従業員本人も体調良く仕事ができ、上司や同僚からのパワハラやいじめもない。だから離職率も低くなるというロジックです。
まだ勤務間インターバル制度を導入されていないなら、一つ一つ課題を解決していきませんか。
目の前の仕事が積みあがっている不安もあると思いますが、効果を実感するためにまず1週間やってみることをお勧めします。
業績向上、エンゲージメント向上、コンプライアンス順守、健康経営、全てにおいて良い方向に進むのではないでしょうか。




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