【5S伴走シリーズ③】更なる火花

第1回の巡回指導日に個人机のパーテーションについて火花が散った会社様へ、先日第2回目のご指導に行ってまいりました。
この日はAチーム、Bチーム、Cチームの活動計画に対する進捗を聞いたり、チーム単独では決められないことを、社長と部長連を交えて議論し、決議していきました。
例えばAチームは「工場内標識・掲示物統一」がテーマなのですが、職場表示の案をいくつか提示され、どのパターンが良いか意見を募られました。
興味深かったのは、職場名の漢字にローマ字が併記されていたことです。こちらの会社さんにはポルトガル語を話される方が一定数おられ、その方々に配慮されていたのです。
でも、英語表記はありませんでした。
日常の作業に気を取られ、外国からのお客様が工場見学される場合の視点が欠けていましたが、私が言うまでもなく、社長から指摘が入り、どのように日本語、ローマ字、英語が読みやすく表示できるかの議論が始まったのです。
その建設的な議論の流れでBチームが終わり、Cチームの発表に移っていきます。
Cチームのテーマは「工場内電気配線の見直し」です。
Cチームは足を使って、工場内の電源がどの機械にどのようにつながっているか調べておられました。判明したのは、延長コードとタコ足配線のオンパレード。
その現実を目の前にしたCチームメンバーは抜本的な見直しが必要だと考え、以下を提案されたのです。
「設備の電源は全て専用化し、工場内では100Vの機器はつなげられないようにする。」
「季節物のスポットクーラーやヒーターも常設工事をして専用電源として置きっぱなしにする」
それを聞いた製造部長は絶句されました。
「それは困る。金もすごくかかるやろ。」と。
それに対しCチームのメンバーでありベテラン社員である関さん(仮名)はこう返されたのです。
「そんなん知らんがな」
!?
私はびっくりしました。製造部長に対し、挑戦的ですさまじい言葉遣いだなと思ったのです。
でもここから腹を割った議論が始まりました。
関さんは製造部長に対し、「一体何台スポットクーラーがあるか知ってるんか?適正数なんか?今はなんも管理できてない、ほったらかしや。逆にこの方法以外でどうやって管理するんや。」と言われたのです。
少しの沈黙の後、製造部長は告白されました。
「工場は熱の発生する場所が多くて暑い。熱中症対策のために、社員が自ら動いて、いろんなところに飲み物や氷を入れている冷蔵庫を設置しとる。それが全部なくなったら困るやろ。」
これを受けて、上述の提案を受け入れる前に、冷蔵庫を含め、工場内で100Vで使っている電気機器を洗い出す調査を製造部がすることに決定しました。
製造部が調査するということは、無くしてほしくない機器を提示できるということ。面倒ですが、丁寧に調査されることでしょう。
最初はどうなることかと思われたCチーム関さんと製造部長の火花。
後から聞くと、関さんと製造部長は同期だとか。
だからあのような物言いができたのかと思いましたが、重要なのはそこではなく、たとえけんかになったとしても、本音が出てこないと解決の糸口は出てこないということなんです。
相手の機嫌を損ねないように上辺だけの会話を連ねても、何も解決しません。
今回の物言いは少し乱暴でしたが、言葉を尽くして「なぜこれが必要なのか」「なぜ反対なのか」をお互いに知る必要があるのです。
さて火花は散りましたが、製造部長と関さんが目指していることは共通しているので、わだかまりは残っていません。
次回もこうご期待。
私が出す宿題にのらりくらりとかわす方々とのやり取りについてお話したいと思います。
お楽しみに。




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