前回は大木センター長の不満を聞き、そして納得頂いたうえで「保守点検時間が長い」のはなぜなのか、「特性要因図」という道具を使って意見をまとめていきました。
そこであぶりだされた主要因は以下の4つでした。
①設備がなくならない限り、点検項目を見直していない。
②点検ルートに決まりがない。
③鍵が劣化している。(ルートの中にあるドアを開けるのに時間がかかっている)
④検針項目を見直していない。
本当にそうなのか、それが解決したら目標に近づくのか?を確かめてから、残った主要因を解決する対策を「対策展開型系統図」というものを用いて案出ししていきました。
案を出してそれを展開していく中で、
「これをするのはあまりにも壮大」
「やるべきだけど、日々の業務が忙しくてとても着手できそうにない」
「でもこれをしないと根本解決にならんやん」
などの意見がでてきて、今回は終了。
さて、どうしたものか。。
職場の核心的な問題があぶりだされたのは良かったけれど、ここでメンバーみんなのやる気をそぎたくないなと、数日考えておりました。
そんなとき、田中課長から電話がかかってきたのです。
電話の内容は衝撃でした。
リーダーをしてくれていた佐藤さんが転職することになり、今回の改善活動の大きな目的の一つ「派遣社員の佐藤さんを正社員として採用するための功績を改善活動で作る」が達成できなくなったのです。
田中課長はこう嘆かれていました。
「結局うちの安い時給で彼を飼殺していたんだなあ。彼にずっと働いて欲しかったのに、間に合わなかった」
やる気があり、思慮深く、仕事が丁寧な佐藤さん。
人財の取り合いを目の当たりにした瞬間でした。
結局今回のテーマ「保守巡回点検時間の削減」は大きな目的を見失い、保守巡回点検を担う担当者を失ったことで人を新たに雇うレベルの問題となり、途中で終了となりました。
今回の反省として
●職場の管理レベルと比較して大きなテーマを扱ってしまった
ことがあげられました。
こちらのチームの改善活動は「今、不具合を起こしている設備の根本解決」に焦点を当て、テーマ変更してちゃんと最後までやり切ることができました。
そちらも伴走させていただいたのですが、弊社にとっても大変貴重な体験となりました。
6回に渡り綴ってきました【改善伴走シリーズ】は今回で終了です。
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